シリコンバッグの豊胸術を検討中の人必見!豊胸手術のすべて

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

14446827_s

シリコンバッグによる豊胸術は確実にバストを大きくできる治療法であることはすでにご存知だと思います。

手術が成功すればバストの悩みがなくなって、これからの人生を今よりずっと幸せに過ごしていけるという期待がもてますよね。

でも一方で、手術を受けるわけですから不安な気持ちもあるのではないでしょうか?

シリコンバッグによる豊胸術をうけて満足している人は世界中にたくさんおられます。成功例のほうが圧倒的に多い治療であり、危険な手術というわけではありません。

ここでは、シリコンバッグによる豊胸術の効果、手術方法、手術後の経過、安全性、リスク、費用。そして、より良い結果を手にするための注意点まで豊胸手術を検討している人が知っておくべき情報をすべて公開します。

これを読むと、シリコンバッグの豊胸術のことが理解できて安心して手術を受けることができます。クリニックにカウンセリングを受けに行く前に必ず読んでください。

Contents

 1 タイプ別 シリコンバッグによる豊胸術の症例写真

ここでは、シリコンバッグによる豊胸術の効果をモニター患者さんの写真をごらんいただきながら確認していきます。自分にあてはまるタイプの症例写真で確認してみて下さい。

1-1 今より少し大きくする場合

豊胸7

豊胸7-2今より少し大きくなれば良いという方の場合はサイズの小さいシリコンバッグを使います。大きさの感覚はBカップに近いCカップ、またはCカップに近いBカップという感じです。

1-2 普通くらいの大きさにする場合

豊胸5

豊胸5-2

このくらいの大きさを希望する人が一番多いので“普通くらいの大きさ”という表現を使いました。この程度の大きさであれば他人から見れば大きいバストでもなく、小さいと思われることもないはずです。

1-3 少し大きめにする場合

豊胸1

豊胸1-2

少し大きめのバストを希望する方には、使用するシリコンバッグのサイズも大きめのものを使います。大きさはD~Eカップくらいに見えるようになります。

1-4 できるだけ大きくする場合

豊胸2

大きいサイズのシリコンバッグを使うことで、できるだけ大きくするという希望を叶えることも可能です。ただし、大きくなったバストのせいで上半身が太って見えるようになることもあります。

また、触った時のばれやすさも出やすいので大きさとばれやすさの兼ね合いについてよく検討したほうがいいでしょう。

1-5 バストが垂れている場合

豊胸3

豊胸3-2

授乳経験やダイエットの繰り返しでバストが垂れている人の場合、シリコンバッグの豊胸術をうけることでバストの形を整えることができます。

バストが垂れていると乳頭の位置がアンダーバストから近いので、手術ではシリコンバッグを入れる位置を調整してできるだけ乳頭の位置がバランスよく見えるようにします。

バストが垂れている方の場合、希望する大きさにすることより形を整えることを優先せざるをえません。その理由は、垂れて見えるバストを修正するにはバストにある程度のボリュームを出す必要があるからです。

少し大きくしたいと思っていても、そのボリュームではバストの形を整えることができない場合はもう少し大きくするしかありません。大きめのバストを希望している人の場合は希望の大きさで調整することができます。

カウンセリングの時に自分の希望する大きさで垂れたバストも治すことができるかどうかを医師に確認するようにしてください。

1-6 バストに左右差がある

豊胸6

胸の左側には心臓があるため、どの人にも厳密にいえば左右差が存在します。また、乳頭の向きも授乳経験などによって左右差が出ていることがあります。

左右差の程度が大きいバストの場合、シリコンバッグのサイズを左右で変える、シリコンバッグを入れる位置を調整するなどして対処しますが、骨格による左右差は手術ではコントロールできないこともあります。

したがって豊胸手術を受けても完全に左右対称のバストにすることはできないとわかっておく必要があります。

1-7 左右のバストが離れている場合

豊胸4

左右のバストの間隔が離れている人の場合、手術を行ってもバストの谷間を作れないことがあります。その理由は、左右のバストの間隔は骨格によって決まっていることが多いので手術で自由自在にコントロールできるわけではないからです。

しかし、バストが大きくなると今よりは左右の間隔の差が目立ちにくくなります。

2 シリコンバッグによる豊胸術の手術方法

ここでは、シリコンバッグによる豊胸術の手術方法について説明していきます。手術法はひとつだけではありません。医師の方針によって違いがあるのでカウンセリングの時に担当医に確認してください。

2-1 皮膚を切る場所はわきの下またはアンダーバスト

シリコンバッグを入れるために、皮膚を4~5センチ切開する必要があります。皮膚を切る場所はわきの下またはアンダーバストです。切開位置をイラストで示します。シリコン切開場所

日本ではわきの下を切るクリニックのほうが多いです。その理由は、傷あとが目立ちにくいからです。わきの下は元々しわが多いので、しわに合わせて切ると傷あとは時間がたてばほとんどわからなくなります。こちらは手術後1年経過時の傷あとの状態です。シリコン傷跡

欧米ではアンダーバストを切る施設のほうが多いので、日本のクリニックの中にもアンダーバストを切開位置としているところもあります。欧米のクリニックがアンダーバストを切開位置とするのは、わきの下からより手術がやりやすいこと、白人は体質的に傷あとがキレイに治りやすいからです。

アンダーバストにはしわがないので東洋人の患者さんに同じようにしてしまうと、傷あとが目立つ可能性があります。それに、バストを大きくできても傷あとがバストにできるのは抵抗があると感じる人が日本の患者さんには多いことから、わきの下が切開場所と選ばれているという事情もあります。

バストを大きくする目的が達成されても、傷あとを気にするようになるのではあとになって困ると思います。皮膚の切開位置についてもカウンセリングできちんと説明を受けるようにしてください。

2-2 シリコンバッグを入れる場所は筋肉または乳腺の下

皮膚を切開したあとは、シリコンバッグ(インプラントともいいます)を入れるためのスペースをバストに作ります。シリコンバッグを入れる場所は大胸筋(だいきょうきん)という筋肉の下、または乳腺の下です。どちらに入れるかは患者さんの状態によって決まります。ここでは、それぞれを説明していきます。

bust-daikyo

大胸筋の下にシリコンバッグ(インプラント)を入れる方法を大胸筋下法といいます。大胸筋下法が向いているのは、乳腺が小さくて元々バストにボリュームがない人の場合です。

筋肉は皮膚から深い位置にあるので、触った時にシリコンバッグの感触がわかりにくいというメリットがありますが、手術後の痛みは乳腺の下に入れた時より強く出る傾向があります。

bust-nyusen

乳腺の下にシリコンバッグ(インプラント)を入れる方法を乳腺下法といいます。乳腺下法が向いているのは、バストの皮膚に余裕があり、バストにある程度のふくらみがある状態の人の場合です。

乳腺の下にシリコンバッグが入るので、乳腺がある程度発達した人でなければ触った時にシリコンバッグの存在がわかりやすいといえます。したがって、授乳やダイエットでバストがしぼんでしまった人、バストが小さいわけではないけれどさらに大きくしたいという人に乳腺下法が選ばれていることが多いです。

大胸筋下法と乳腺下法。どちらの方法が優れているというものではありません。患者さんの状態によって選ぶべき方法が決まります。ではここで、それぞれの方法でうけたモニター患者さんの画像をごらんください。

こちらは大胸筋下法です。バストにボリュームがないため、筋肉の下にシリコンバッグを入れる方法を選択しました。乳腺の下にシリコンバッグを入れた場合、皮膚からすぐにシリコンバッグの存在がわかって不自然な仕上がりになるため乳腺下法は選択できません。

豊胸5

こちらは乳腺下法です。バストの皮膚に余裕がり、バストのボリュームもあるので乳腺下法をえらびました。もし大胸筋下法を選んだとすると、元々のバストの下にシリコンバッグのふくらみができてしまいます。そうなると胸が2段にふくらんでいるようになるので不自然です。よって大胸筋下法は選択できません。

豊胸1

大胸筋下法、乳腺下法。どちらの方法も自然な仕上がりになっているのがわかると思います。自然な仕上がりにできるのは患者さんの状態にあわせてシリコンバッグを入れる場所を選んでいるからです。

クリニックによって大胸筋下法しかやらない、乳腺下法しかやらないという施設もあります。患者さんによって状態は違うのにひとつの方法だけで対応するのは無理があります。

カウンセリングに行った時は必ず手術を担当する医師の診察を受けて大胸筋下法、乳腺下法のどちらで行うかの説明を受けてください。もし説明がなく、はじめから手術法が決めてあるクリニックであった場合はそのクリニックに手術は任せないほうがいいと思います。

2-3 浸出液を排出させるためのドレーンを入れる

シリコンバッグをバストに入れたあとは、ドレーンと呼ばれる管をシリコンバッグを入れた場所から傷口の皮膚にかけて入れておきます。ドレーンとはこのようなものです。ドレーンドレーンを使うと、シリコンバッグがあるスペースにたまった浸出液(血液やリンパ液、麻酔液)を排出させることができます。浸出液を排出させると、術後の内出血や腫れ、痛みを軽減させることができます。

中にはドレーンを使わないクリニックもあります。理由は浸出液が出ないように手術をしているからと説明しているようです。しかし、浸出液は手術中はあまり出ないものなのです。手術後に時間がたつとじわじわと出てきます。

ドレーンを使うとドレーンを抜く手間がかかるので使いたがらないクリニックもありますが、より良い結果と経過のためにはドレーンを使った方がいいです。カウンセリングを受けた時にドレーンを使ってくれるかどうかを確認するようにしてください。もしドレーンを使わないと説明を受けたら、そのクリニックは候補からはずす方がいいと思います。

2-4 傷口を縫い合わせて圧迫をおこなう

ドレーンを入れたあとは、傷口を丁寧に縫合します。縫い合わせた傷口は手術後1週間目に抜糸をします。中には抜糸不要のクリニックもあります。溶ける糸を使うクリニックもあります。

手術後に通院しなくてもいいなら、抜糸不要の方法がいい、溶ける糸を使ってもらったほうがいいと感じるかもしれません。しかし、傷口はきちんと縫い合わせて抜糸をした方がキレイに治ります。傷口が多少目立っても気にしないという性格の方なら抜糸不要の方法で傷口の処理をしてもらうのもありですが、せっかく治療を受けるのですから通院を面倒がらずに傷口もきれいに治すためにきちんと通院をした方がいいと思います。

手術後はバストを圧迫します。圧迫をする目的はシリコンバッグを正しい位置に固定すること、腫れや痛みを最小限におさえるためです。圧迫は自分ではずしたりせず、次の通院日までそのままの状態にしておきます。こちらはバストの圧迫が終わった状態です。術後固定

2-5 シリコンバッグの豊胸手術で行うべき麻酔

クリニックによって麻酔方法は違いますが、シリコンバッグの豊胸手術は眠っている間に手術を受ける方が安心です。起きたままの状態で局所麻酔だけで手術をうけるのはとてもつらいので、カウンセリングの時に麻酔方法についても必ず確認してください。

シリコンバッグの豊胸手術でおすすめできる麻酔方法は以下の2つです。

  • 硬膜外麻酔+静脈麻酔
  • 全身麻酔

硬膜外麻酔+静脈麻酔

硬膜外麻酔とは、脊髄をつつんでいる硬膜の外側に局所麻酔薬を注入する麻酔方法です。バストの手術では背中から針を刺して硬膜外麻酔を行います。硬膜外麻酔を使った手術では、血圧が低めになるので手術中の出血が少なくできるメリットもあります。

硬膜外麻酔を行うには技術が必要なので、硬膜外麻酔ができないクリニックの中には硬膜外麻酔は危険だからしないほうがいいと説明している施設もあります。

しかし、お産の時の無痛分娩でも硬膜外麻酔が使われています。他にも、ペインクリニックでは椎間板ヘルニアの痛みをとるために外来で行なわれている方法なので、安全性が高い麻酔方法といえます。

硬膜外麻酔は痛みをなくす効果はありますが、眠る作用はありません。そこで、点滴から静脈麻酔薬を点滴することで眠っている間に豊胸手術を受けることができます。

寝て起きたら手術が終わっているので全身麻酔をうけたように感じるかもしれませんが、実際には全身麻酔ではありません。静脈麻酔には痛みをとる作用はなく、眠る作用のみがあります。痛みは硬膜外麻酔で取り除いています。

静脈麻酔薬は以下の画像に写っているシリンジポンプという器械を使って点滴をしていきます。静脈麻酔薬の使用量は、患者さんの体格に合わせて投与量を設定します。P1270511

静脈麻酔をうける時は、安全に麻酔を行なうために手術前に飲食をしてもよい時間帯に制限があります。とても大事な注意事項なので、クリニックからの指示は必ず守るようにしましょう。

全身麻酔

全身麻酔は完全に眠った状態で手術がうけられる麻酔方法です。麻酔中は人工呼吸器を使って呼吸管理を行うので、麻酔は麻酔科の医師が担当する必要があります。全身麻酔を受けた場合は手術後も麻酔から完全にさめるまで監視が必要です。したがって、入院施設があるクリニックで手術を受けることになります。

3 シリコンバッグによる豊胸術の術後経過

ここでは、シリコンバッグの豊胸手術をうけた後の経過について説明していきます。

3-1 つらい痛みは1週間でおさまる

シリコンバッグの豊胸手術を受けたあとは、痛みが1,2週間出ます。痛みは大胸筋下法と乳腺下法では程度に差があり、大胸筋下法のほうが痛みが強くでる傾向があります。大胸筋下法で手術を受けた場合、はじめの1週間はかなりつらい痛みがでるのが普通です。したがって、痛みがあるうちは飲み薬や座薬の痛み止めを積極的に使って痛みのコントロールをおこないます。乳腺下法の場合ははじめから痛みの程度は軽いことが多いです。

大胸筋下法による手術後の1週間は、寝返りのときもつらい痛みがあると思います。痛み止めを使えば少しはましになりますが、仕事や学校でいつも通りに過ごせるレベルではないと思います。したがって、手術を受けるなら1週間は休みを取るようにしたほうがいいでしょう。

1週間経過後は痛みは軽くなっていき、術後2,3週間で痛みを感じることはなくなります。

3-2 1ヶ月で形が整うようになる

シリコンバッグによる豊胸術後は、バストに内出血や腫れがでます。そのため、青あざや腫れがでている期間はバストがキレイに見えません。内出血や腫れは時間とともに治っていき、手術後1ヶ月で見た目はほぼ完成の状態になります。モニター患者さんの写真を用いて、見た目の経過を説明していきます。case01

  1. 3日目 青あざがでている。腫れのせいで形もいびつになっている。
  2. 7日目 青あざがうすくなってきている。腫れによる形の不自然さはまだ残っている。
  3. 14日目 内出血は消えたが、腫れによってバストの形が四角く見える
  4. 21日目 腫れもなくなりバストの形が丸くなってきたが、むくみが残っている
  5. 28日目 腫れもむくみもなくなり、形はほぼ完成の状態に落ち着く

 3-3 完成までは早くても1年はかかる

手術後1ヶ月でバストの形はほぼ完成の状態になります。しかし、1ヶ月目はまだ仕上がりの状態にはなっていません。

シリコンバッグがバストに入ってバストが大きくなっても、バストの皮膚がバストの大きさになじんでいないので、触った感じは硬さがあります。

バストの皮膚が大きくなったバストに合わせてなじむまでは早くても1年はかかります。したがって、手術後の数ヶ月間はバストを触ると硬く感じます。そしてバストの動きも皮膚がなじむまでは制限されるので動きにくいことが多いです。

バストを触ると硬い、動きも悪いと心配になるかもしれません。しかし術後1年間は様子を見るようにしてください。不安なときは担当医の診察を受けて状態の説明を受けるようにしましょう。

 4 シリコンバッグによる豊胸術の安全性

ここでは、シリコンバッグによる豊胸術の安全性について説明していきます。

4-1 シリコンバッグは安心して使える医療用具

現在流通しているシリコンバッグは安心して使うことができる医療用具といえます。今では、乳がんの手術で乳房を切除した人のバストの再建手術にも使われるようになりました。

数十年前のシリコンバッグは、ジェル状のシリコンが使われていました。そのため、シリコンが漏れ出した場合に周囲の組織にシリコンがしみこんでしまい、炎症反応が強くでたり、取り出すのが困難なケースもあったようです。

現在、世界で使われているシリコンはコヒーシブシリコンといわれ、シリコンがグミ状に作られています。また、バッグの外膜も耐久性が向上していて、よほどのことがなければ破損することはありません。そこで、シリコンバッグ(インプラント)の画像を紹介しますので参考にしてください。

シリコン1

今度は、シリコンバッグ(インプラント)の中に入っているシリコンを見るために、シリコンバッグをメスで切り開いてみました。

bust-ip03

現在、シリコンバッグはいくつかのメーカーから発売されています。それぞれのメーカーが特長を宣伝していますが、実際にはどのシリコンバッグを選ぶかで結果が決まるほど性能に大きな差があるわけではありません。クリニックの中には『性能の高いシリコンバッグ』と宣伝して集客しているところもあります。しかし、シリコンバッグの種類にこだわる必要はまったくありません。なぜなら、手術結果を決めるのはいかに丁寧な手術をして正しいアフターケアをするかで決まるからです。

4-2 シリコンバッグの豊胸術を受けたからといって、将来乳がんになるリスクは高くならない

シリコンバッグによる豊胸術をうけても、将来的に乳がんになるリスクは高くなりません。

『シリコンの豊胸を受けると将来ガンになる(なりやすい)』という話を聞いたことはありませんか?以前は、そう考えられていた時期がありました。実際、アメリカではシリコンを使った豊胸術が禁止されていた時期もあります。

アメリカにシリコンバッグを販売しているメーカーがありますが、海外にはシリコンバッグを輸出しているのにアメリカ国内では使ってはいけないという変なことが起きていたんです。

その後、シリコンバッグによる豊胸術を受けた人と豊胸手術を受けていない人で乳がんの発生率を調べる調査が行われました。その結果、シリコンバッグと乳がんには関係がないことがわかりました。今では、アメリカ国内でもシリコンバッグによる豊胸手術が認められています。

シリコンバッグの豊胸手術を受けたからといって、将来的に乳がんになるリスクは高くなったりしません。安心してください。

4-3 シリコンバッグの豊胸術を受けていても普通に授乳ができる

シリコンバッグによる豊胸術を受けていても、母乳や授乳に悪影響が出ることはありません。安心してください。

その理由は、大胸筋下法でも乳腺下法でも乳腺組織が傷つくことはないこと、現在使われているシリコンバッグはどのメーカーでもコヒーシブシリコンといってグミ状のシリコンが採用されています。万一シリコンバッグが破損してもシリコンが流れ出て母乳に混ざってしまうことはないからです。

妊娠中の母親教室や出産後の授乳指導では、助産師さんに指導を受ける機会があります。豊胸術の知識をもたない助産師さんが『シリコンの豊胸手術を受けている人は授乳ができない』と言っても、それは根拠のないことですので信用しないでください。

授乳期間中は乳腺が発達するため、胸が張って通常よりも硬くなります。シリコンバッグの豊胸術を受けている人はさらに硬く感じることもありますが異常ではありません。出産後の診察でバストの硬さを指摘された時は正直に手術をうけたことを申告するようにしてください。

5 シリコンバッグによる豊胸術のリスク

ここでは、シリコンバッグによる豊胸術のリスクについて説明していきます。

5-1 バストに血液やリンパ液がたまる(確率5%未満)

手術後、シリコンバッグのまわりに血液やリンパ液がたまることがあります。

シリコンバッグの豊胸術は、元々なかったスペースにシリコンバッグを入れてバストを大きくする治療法です。手術では、シリコンバッグを入れるためのスペースを作ります。その際に出血が起きたりリンパ液がしみ出てくると、手術後にシリコンバッグの周りに血液やリンパ液がたまることがあります。

そこで、ドレーンと呼ばれる管をシリコンバッグが入っているスペースから傷口まで入れておくと、血液やリンパ液が排出されるので体液がたまるリスクを下げることができます。ドレーンとはこのようなものです。ドレーンは体液の排出量が少なくなってきたら抜き取ります。ドレーン血液やリンパ液は手術中に出てくるのではなく、時間の経過とともにじわじわと出てきますので、手術で出血が少なかったからドレーンを入れなくてもいいというものではありません。クリニックによってはドレーン不要と説明する施設もあります。体液がたまるリスクを避けるためにドレーンを使うクリニックで手術を受けるようにしてください。

そして、体液がたまるリスクを下げるためにバストの圧迫も非常に重要です。手術後はクリニックでバストを強めに圧迫します。バストが圧迫されていると窮屈で息がしにくいなどのストレスがありますが、自分で圧迫をゆるくしたり、外したりしないでください。術後固定ドレーンを入れたり、きちんと圧迫をしても体液がたまることはあります。その場合はクリニックで体液を抜く治療を行います。方法は傷口からたまった体液を抜くか、注射器でたまった体液を吸い出します。治療はそれほどつらいものではないので安心してください。

体液がたまったとしても、きちんと治療をすれば完治します。クリニックの指示通りに通院に協力するようにしましょう。

5-2 バストや乳頭にしびれがでる(確率3%未満)

手術後、バストの皮膚や乳頭にしびれが出ることがあります。原因は手術によって神経に傷がついたからです。神経に傷がついても、だんだんと修復されて手術から数ヶ月間で元の状態に治ることの方が多いです。

神経が修復されるまでの数ヶ月間はバストの皮膚や乳頭の感覚がにぶくなり、自分の皮膚なのに触っている感じがわからないという症状が出ることがあります。

ほとんどのケースは時間が経てば元の状態に戻りますが、まれに感覚のにぶさが残ることがあります。手術後1年経過してもしびれが残っている場合はそのまましびれが治らない可能性が高いと考えられます。

5-3 バストに左右差が出る(確率3%未満)

手術後、バストの左右差が気になることがあります。

胸の左側には心臓があるため、よく見ると左側のほうがバストが大きいという方が多いのですが、左右差の度合いが小さいと手術前はその差を気にしていない人がほとんどです。しかし、手術後にバストが大きくなったことでバストの左右差を感じるようになることがあります。

手術前の状態で明らかに左右差がある人の場合はシリコンバッグのサイズを左右で調節して左右差がなるべく目立たないようにすることが可能です。

しかし、よく見ないとわからない程度の左右差の場合は手術で左右差のコントロールができないこともあり、多少の左右差は受け入れるしかない場合があります。

バストは乳腺や脂肪の量だけで大きさが決まっているわけではなく、骨格も形や大きさに影響するので手術によって完全に左右対称にできるわけではないことを理解しておく必要があります。

5-4 バストが硬くなる(確率1~3%)

手術後、バストが硬くなることがあります。この症状をカプセル拘縮(こうしゅく)といいます。

シリコンバッグがバストに入ると、私たちの体はシリコンバッグを異物とみなしてシリコンバッグのまわりに被膜を作ります。この被膜をカプセルといいます。カプセルができるのは正常な反応で異常ではありません。シリコン1

しかし、シリコンバッグのまわりにできたカプセルが厚く作られてしまうと、シリコンバッグがカプセルでしめつけられるため、バストが硬くなります。この状態をカプセル拘縮といいます。カプセル拘縮

カプセル拘縮がおきるとバストが硬くなるだけでなく、シリコンバッグがカプセルにしめつけられて変形するので形もいびつになります。カプセル拘縮が生じた状態の画像がこちらです。カプセル拘縮

(出典:the lancet

カプセル拘縮は手術後すぐにおきるのではなく、時間がたってから症状が出てきます。カプセル拘縮の状態になっているかどうかを正確に判断するためには術後1年間は経過観察を行なうべきです。手術後1年経過したときに何も問題がなければ、そのあとにカプセル拘縮が生じる可能性は低いと考えられます。

そしてカプセル拘縮がおきてしまった場合は、残念ながらシリコンバッグを取り出すしかありません。緊急を要するわけではありませんが、さわった感じも見た目も不自然なので、入れたままにはしないほうがいいでしょう。

カウンセリングでは、シリコンバッグを取り出すことになった場合の対応についても説明を受けておくようにしましょう。費用がかかるのか、無料で対応してくれるのかなどです。シリコンバッグを取り出すことになる可能性は低いとはいえ、事前に確認しておくに越したことはありません。

5-5 バストに波がうったようなしわができる(確率1~3%未満)

手術後、バストの皮膚に波がうったようなしわができることがあります。この症状をリップリングといいます。

シリコンバッグのまわりにできたカプセルの厚みが均一にできず、カプセルの厚みが皮膚に浮き出るため、バストが波をうったように見えます。こちらがリップリングが生じている状態のバストの画像です。imp_ripples(出典:ralphcolpittsmd

リップリングが生じているかどうかを判断するために手術後1年間は経過観察を行ないます。リップリングができてしまった場合、自然に治ることはありません。かといってリップリングを治す治療法はありません。

リップリングがあってもシリコンバッグを取り出す必要はありませんが、見た目が気になる場合は取り出すことも検討してもいいと思います。再手術を行っても再度リップリングが生じる可能性もあります。もしリップリングが生じた時は、担当医とよく相談して方針を決めるのがいいでしょう。

5-6 シリコンバッグが破損する

シリコンバッグが破損する可能性があります。破損の報告のデータもないのでどのくらいの確率で破損が起きているかはわかりません。

しかし、現在使用されているシリコンバッグはとても耐久性が高く、破損の心配はほとんどしなくてもいいと思います。(シリコンバッグのメーカーによっては耐久性を保証し、万一破損した場合は無償で新しいバッグを供給してくれるところもあります)

シリコンバッグが破損したとしても症状が出るとは限らず、乳腺検診時の超音波検査などで発覚することがあるようです。触診によって破損の診断をするのはとても難しいので、手術後数年経過してから痛みや赤みがある場合はそのまま放置せずに担当医の診察を受けるようにしてください。

6 シリコンバッグによる豊胸術の費用

手術費用はクリニックによって大きな差があります。そこで、個人クリニック5院、大手クリニック5院の手術費用を調査してみました。結果は、最安値27万円、最高値130万円、中央値714.000円でした。

美容外科の治療費全般に言えることですが、安い割にそれなりのレベルの治療を受けられることはあっても、治療費が安いにもかかわらず品質が高い治療が受けられるというのは残念ながらありません。反対に、費用が高ければ質の高い治療が受けられるというわけでもありません。

シリコンバッグによる豊胸術は、難易度が高い手術ではありません。丁寧に手術を行い、きちんと手術後のケアをすることが結果を左右する治療です。極端に費用が安いクリニックはやりっぱなしの対応をすることで治療コストを下げているものと考えられます。

しかし費用が高いからといってアフターケアの内容も充実しているとも限りません。カウンセリングを受けた時に、サービス内容をきちんと確認して納得のいく治療が受けられそうかどうかをよく検討して下さい。

7 手術前に知っておくべき注意点

ここでは、シリコンバッグの豊胸手術を受ける前に知っておいたほうがいい注意点を説明していきます。

7-1 9割の人は触ってもばれない

シリコンバッグの豊胸術を受けた人の9割はさわった感じが自然です。僕は今まで500人以上の患者さんの豊胸術を担当してきました。個人的見解ではありますが、以下にシリコンバッグによる豊胸術の触り心地について述べさせていただきます。

シリコンバッグの豊胸術後の触り心地は以下の4つに分類できます。

  1. 本人も担当医もさわった感じが自然で異物感がないと感じる(10%)
  2. 本人や担当医はシリコンが入っていることがわかるが、触った感じは自然な範囲で他人にはばれないと思えるレベル(80%)
  3. 見た目は自然な範囲であるが、触ると異物感がある(7~10%未満)
  4. 見た目もさわった感じも明らかな異物感がある(1~3%)

つまり、9割の人は見た目も触った感じも自然な範囲なのです。反対に1割の人はさわるとばれるということになります。10%の確率で触るとばれることを確率が高いととらえるかは人によって違うかもしれません。

手術前に結果がどうなるかは予測できないので、絶対にばれるのはイヤという人はシリコンを使う豊胸術は受けないほうがいいといえます。

7-2 胸のレントゲンには写らないことの方が多い

シリコンの豊胸術をうけたあとに胸のレントゲンを撮影してもシリコンが写らないことの方が多いといえます。

レントゲン撮影はカメラ撮影と同じで、どこにピントを合わせるかによって写るものが違います。胸のレントゲン撮影といっても、胸の骨の状態を見ようとした場合と肺の状態を見ようとした場合は撮影条件が違うんですね。

骨の状態を見るためのレントゲン撮影ではシリコンバッグがくっきりと写ります。しかし、肺の状態を見るためのレントゲン撮影では骨が写ると見にくくなるため、骨が写らないように条件設定をしています。その場合はシリコンバッグもほとんど写りません。

胸のレントゲン撮影はほとんどの場合が肺の状態を見るために撮影をしますから、シリコンバッグが写る可能性は低いと考えられます。(当院の患者さんが会社の検診でレントゲン撮影を受けた時もシリコンは写っていなかったと多くの方から報告がありました)

しかし、絶対に写らないわけでもありません。レントゲンでなく、CTやMRIでは100%写ります。したがって、レントゲンやCT、MRIでシリコンが写るのは絶対にいやという方はシリコンを使う豊胸術は受けないほうがいいといえます。

医療機関には守秘義務があります。会社の検診でレントゲン撮影をうけた時にシリコンが写ったとしても、会社に手術を受けたことがばれることはありません。

7-3 乳がん検診の施設を紹介してくれるクリニックを選ぶ

手術を受けるクリニックを選ぶ時は、乳がん検診の施設を紹介してくれるクリニックを選ぶようにしましょう。

シリコンの豊胸術を受けたからといって将来的に乳がんになる確率が高くなることはありません。しかし、女性であれば年に1回は乳がん検診を受けておく方が安心ですよね。

その場合、豊胸術を受けている人の検診を受け入れてくれない病院も存在します。自分で検診施設を探すのはストレスになるのではないでしょうか?

手術を担当したクリニックが検診施設も紹介してくれるなら、治療内容が書かれた紹介状を用意してくれます。検診の受け入れ施設も手術を受けていることを事前にわかってくれていますので、検査方法も超音波診断を行うなどの配慮をしてくれるはずです。

カウンセリングを受けた時には、乳がん検診の施設の紹介をしてくれるかどうかを確認しておくことをおすすめします。

7-4 授乳では乳腺炎にならないように気をつける

シリコンバッグの豊胸術を受けたあとも妊娠、出産、授乳にはなんの悪影響もありませんが、授乳期間中に乳腺炎にならないように気をつけてください。

授乳中は豊胸術を受けている、いないに関係なく乳腺炎になるリスクがあります。シリコンの豊胸術を受けている人が乳腺炎になった場合、症状が強く出る可能性があります。また、それまで結果が良くても乳腺炎になったことでバストに炎症がおきて、バストが硬くなるリスクがあります。

多くの場合は抗生物質の飲み薬を使うことで乳腺炎は治りますが、まれにバストの皮膚を切開して膿を出さないといけないこともおこりえます。

したがって、手術後に授乳をするときはあまった母乳をよくしぼって乳腺炎にならないように対策をしておく。それでも乳腺炎になってしまった時はすぐに病院を受診して抗生物質の服用を開始するなどの対処をしてください。

まとめ

シリコンバッグを使う豊胸手術は技術的には難易度が高いものではなく、標準的な技術力を持つ医師であれば問題なくできる治療ですが、カプセル拘縮やリップリングなどの合併症が起きた場合にシリコンバッグを取り除く以外に対処法がないリスクもあります。

とはいえ、シリコンの豊胸術を受けた人全体からみると、バストの大きさの悩みから解放されてコンプレックスがなくなるメリットも大きいので患者さんの満足度が高い治療でもあります。

これからシリコンバッグによる豊胸術を検討している人が前もって知っておいた方がいい情報をすべて紹介させていただきました。クリニックによって治療方針には差がありますから、カウンセリングを受けに行く時は疑問点をメモにして持っていき、不安を解消して良い治療をうけてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリー 豊胸手術

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

医師が教える美容ゼミの 購読はfacebookが便利です。

Twitter・RSSでも購読できます。

コメントはこちらからどうぞ